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2/24 fumi 役職を貸した時の話 その1

妻へ。

それは、とある日の上午、いえ失敬午前、いつものように忙しいフリして仕事をしていた時のことだ。ちなみに忙しいフリとは中国人がたまに使う冗談である。だから冗談だと受け取ってくれることを僕は信じてるよ。ちなみに笑い上戸な人には、「何かのドラッグ飲んでますか?」ってな言葉もある。さて、話が脱線した。僕の目の前に座るリーダーが、「○○さん、助けて下さい」と嘆くような顔で話しかけてきた。彼女の語弊力の限界を振り絞って出てきた日本語が助けて、である。これは助けないわけにはいかない。

「うちの要求する納期に、業者の回答、ダメ」

なるほどなるほど、これは納期交渉だな。僕は日本にいた時や昔昔、前職でやった納期交渉が頭を過ぎり担当の立場に立ってああしなくては、こうしなくてはが頭に湧いてきた。でも、今の僕は管理職であって、担当の大事な仕事を奪い取って前面に出てはならない。彼らを奮い立たせてモチベーションを上げさせなくてはならない。

「○○さん(担当)、回答は?」
「どんな風に交渉?」

僕は彼から具体的な道筋を引き出す為に質問をした。

「回答、全然ダメです。3月20日です」
「交渉しましたが、全然ダメ」

え、ヤバイじゃん。それは分かるがどんな交渉したのかも返ってこない。つまりこれはお願いベースでしかない可能性が高く、僕が箸にも棒にもかからない手段で「うちのラインが止まるんです!何とかお願いしますよ!」とプチ脅迫紛いのお願いワードがゆっくりと頭を過ぎっては、頭上のワードを念力で搔き消した。いま必要なのは具体的な方法だ、お願いするのは誰だってできる。その数分後、僕はリーダーをCCに入れて上司にショートメッセージを送付していた。

「業者の回答納期がうちの要求納期に合わない為に、要求納期を確約させる為に出張します」

お気付きだろうか、僕は具体的という概念を一切放棄した。そう、その1時間後、

「具体的に何の交渉すんの?」と上司に当然尋ねられたのも言うまでもないが、慌てて書類を確認しだす始末。あーあ焦り損。そんな僕の状況を完膚なきまで叩きのめすかのように、一本の返事がリーダーからグッドタイミングでやってきた。

「辛苦了!(乙です!)」